「どんな仕事でもいい」と思えたときからようやく 仕事は本当に面白くなるもんなんだよ、と。

151110

最近モデルの仕事が、本当に面白くなってきた

モデルを続けていてよかったなと思う

ありがたいことだなあとしみじみ思う


先日の撮影

ドキュメンタリー映画をライフワークとしながら
揺るがぬ姿勢で大切な世界を表現し続け
「人間を撮る」監督(フォトグラファー)と

巨匠サブロウさんの愛弟子で
何十年もヘアメイクの第一線を走り続けているのに

今年のディオールのチークはこの色がいいとか
このネイルのデザイナーは
こんな思いで物を作る女性なんだとか

好奇心と向上心と愛いっぱいの大御所ヘアメイクと

口数多くやんちゃでいかにもな業界人そうなのに
いつもいつも寝てなくて
アシスタントは叱ってどこでも連れて育てて

モデルのためには
必要の何倍もの衣装とアクセサリーを
自前で用意してくれる有名スタイリストと。

早朝、ヘアメイクをしてもらいながら

ヘアメイクさんが
結構な年数ヘアメイク業を続けていると知って

「長い間、続けていられるのはなぜですか?」と聞いた

わたしはこの数年ずっと仕事が苦しくて
もうモデルはできない、
もうやめよう、もう逃げ出そうと何度も思っていて

でも、先月ここで、同じスタッフとお仕事をさせてもらって
久しぶりに仕事が
本当に面白いものかも…と感じられていたから

そのことをこっそり打ち明けた

そしたらヘアメイクさん

僕にもそういうことがたくさんあったなぁ、とにっこり笑った

僕らもみんなそうして、自問して、苦しんで、
それでもこの仕事をやめられなくて
気がついたら何十年もやってた、と。

わたしはいままで仕事というものをどこかで

クライアントはどこか
広告代理店はどこか
どのくらいの規模の仕事か
どのくらいのギャラの仕事か

ということを、重要に考えていた

それは、モデルとして一人前と認めてもらうために

また、
「わたし、モデルなんです」と言って生きるために

とても重要な物差しだった

でも、
自分の身体の不健康さに直面し
自分のこころの不健全さに直面し

社会の仕組みを知り
お金の流れを知り
人間のエゴを知り

誇大妄想と怒りと落胆を繰り返して
いつしかわたしは気がついた

拠り所していたそういう物差しは
もちろんとても重要だけれども

それは
「決して一番ではない」ということに。

なぜならその物差しに
もっとも苦しめられたのは自分自身だったし

またその物差しは
創造を軸に生きている愛する夫を
同じくとっても苦しめてしまっていたから。

ヘアメイクさんは言ってた

「どんな仕事でもいい」と思えたときからようやく
仕事は本当に面白くなるもんなんだよ、と。

今は思う。

仕事は、人なんだな、って。

その日、その仕事を通して

どういう人と出会えるか
どういう時間が過ごせるか
どれだけ真剣に力を出しあえるか

人生って、そういうものなんだな、って。

美在塾

美在塾とは、「本気で美しく在りたい女性のための」、人間であり、女性であり、ひとつの生き物である「多層な美しさ」について、ともに学び、実践していく場所です。

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